タイ南部トラン県のコ・リボン沖で、2頭のジュゴンが寄り添いながら交尾する様子をドローンが撮影した。下アンダマン海洋沿岸資源研究センターが映像を公開し、所長のサンティ・ニラワット氏によれば、絶滅の瀬戸際にあるタイのジュゴンにとって極めて希少な記録だという。
コ・リボンはかつて「ジュゴンの首都」と呼ばれた場所で、南部アンダマン海のジュゴン生息地の中心だった。しかし近年は個体数の激減が止まらず、トラン県内の残存個体は10頭以下とされる。
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タイ・バンコク発日本語メディア
タイ南部トラン県のコ・リボン沖で、2頭のジュゴンが寄り添いながら交尾する様子をドローンが撮影した。下アンダマン海洋沿岸資源研究センターが映像を公開し、所長のサンティ・ニラワット氏によれば、絶滅の瀬戸際にあるタイのジュゴンにとって極めて希少な記録だという。
コ・リボンはかつて「ジュゴンの首都」と呼ばれた場所で、南部アンダマン海のジュゴン生息地の中心だった。しかし近年は個体数の激減が止まらず、トラン県内の残存個体は10頭以下とされる。
背景にあるのは主食である海草の壊滅的な減少である。ハトチャオマイ国立海洋公園とコ・リボン周辺はかつてアンダマン海ジュゴンの75%以上を支えてきたが、2020年から2024年にかけて海草の被覆面積は最大で70%減少した。2024年のジュゴン死亡の約40%は飢餓が原因とされる。
タイ海洋沿岸資源局のデータでは、2023年と2024年のジュゴン死亡数は年平均42頭に達した。これは2019年から2022年の死亡数と比べて2倍以上に増えており、タイ全土で2022年に推定273頭いた個体のうち、すでに3分の1近くが失われた可能性があると指摘されている。
一部の個体はトランを離れてプーケット方面へ移動している兆候も確認されている。2026年初頭にはラエム・ジュホイ付近の上空調査で32頭が確認され、わずかながら回復の兆しと受け止められた。その中で捉えられた今回の繁殖行動の映像は、タイの海洋保全に携わる研究者たちにとって希望の一コマとなる。
タイのジュゴンは日本では会う機会のほとんどない動物だが、沖縄でも数頭しか確認されていない現状を考えると、この絶滅の危機は他人事ではない。コ・リボンの海草を守る取り組みが、タイと日本の双方にとって希少な海の住人を未来へつなぐ試金石になる。
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