ウボンラーチャターニー県シリントーン郡にある仏教公園「ワットパーボーナームプラインの僧侶用宿泊施設」が、国有保全林への不法侵入を問われている。4月3日に林野局の特別部隊「パヤックプライ」が現地調査を実施し、翌4日にはチョーンメック署へ国有保全林法違反の容疑で告訴状が提出された。対象面積は約12ライ(約1.9ヘクタール)に及ぶ。
問題の土地はもともと住民がゴム農園として森を切り開いた場所であった。住民側がこの土地を寺院に返還し、僧侶が植林を進めて森の再生に取り組んでいたという経緯がある。「森を壊したのではなく、森を取り戻していた」というのが寺院側の主張である。
渦中の僧侶「ルアンターシンサップ・ジャラナタンモー」は通称「プラシンキット」として知られる人物で、10日朝のライブ配信中に涙を流した。「7日以内に退去しなければならない」と訴え、「偉い人たちにも現場を見てほしい」と声を詰まらせた。有名コメディアンのチューシー・チューンイムも現地を訪れ、紛争地が実際にはゴム農園の跡地であることを映像で紹介している。
林野局は公式ページで調査結果を公表し、仏教公園の許可取り消しを検討する方針を示した。これがSNSで拡散されると、学者やインフルエンサー、歌手、俳優らが次々と僧侶を擁護する声を上げ、大きな反響を呼んでいる。「法的に問題があるなら法に従うべきだが、実態を見てから判断すべきだ」という論調が支配的である。
事件は「森林保護の法律」と「実際に森を再生していた寺院」という構図が注目を集めており、タイ社会で宗教施設と環境行政のあり方をめぐる議論に発展しつつある。林野局と寺院側の双方が正当性を主張しており、今後の展開が注視される。