政府系の資産管理会社スクムウィット・アセット・マネジメント(SAM)が、個人の不良債権(NPL)を抱える債務者を対象とした新プログラム「ピットニーワイ・パイトーダイ(早く返して前に進もう)」の受付を開始した。クレジットカードや個人ローンなど無担保債務で90日以上の延滞がある個人が対象となる。
対象となるのは、2026年9月30日時点でNPLステータスにある個人債務者である。かつて担保付きローンを組んでいたが、担保処分後に残った未回収分についても申請が可能だ。SAMは債務者に対し、自身の状況を確認したうえで計画的に返済を進めるよう呼びかけている。
プログラムへの参加資格はオンラインで即座に確認できる仕組みを採用した。タイ中央銀行(BOT)の公式サイト(bot.or.th/cleardebt)またはSAMの公式サイト(sam.or.th)にアクセスし、氏名・国民ID番号・電話番号を入力すれば、ワンクリックで結果が表示される。SAMはシステムの安全性を強調し、個人情報の保護は100%保証されるとしている。
この施策は、長期にわたり返済が滞っている債務者に金融再建の機会を提供する狙いがある。タイでは中銀が銀行に利息のみ返済や減額を認めるよう指示するなど、家計債務の軽減策が相次いでいる。NPLを抱えたまま信用情報に傷がつき、新たな借り入れもできない状態が続く個人にとって、今回のプログラムは生活再建への具体的な一歩となり得る。
在タイ日本人の中にも現地のクレジットカードや個人ローンを利用している層は少なくない。返済に行き詰まった場合の選択肢として、SAMの公式サイトで自身が対象かどうかを確認しておく価値はあるだろう。