コンケン県バーンヘート郡で栽培される高級品種「ナムドークマイ・シートーン(黄金のドークマイマンゴー)」の輸出が、中東情勢の長期化による燃料価格の高騰で深刻な打撃を受けている。海外からの注文が急減し、すでに収穫済みの80万個以上が出荷先を失ったまま滞留している状況である。
バーンヘート郡マンゴー輸出共同体の代表スティー・ティンラート氏によると、同共同体では4月上旬に収穫した果実を1個ずつ外観検査し、等級分けする作業を進めている。しかし、輸送コストの上昇を受けて海外バイヤーからの発注が大幅に減少し、従来なら即日出荷されていた果実が倉庫に積み上がっている。
問題はこれだけにとどまらない。今後40日以内にさらに約100万個の収穫が控えており、現在の在庫と合わせると180万個規模の供給過剰に陥る恐れがある。果実は鮮度が命であり、長期保管には限界があるため、農家の損失は日を追うごとに膨らむ。
同共同体では国内消費者に向けて購入を呼びかけている。ナムドークマイ・シートーンは果肉がきめ細かく糖度が高い品種で、輸出向けに丁寧に紙袋で包んで育てられた高品質品である。原油高で南部漁業や物流も悲鳴を上げており、燃料危機はタイの農水産業全体に波及している。
タイは世界有数のマンゴー輸出国であり、特にナムドークマイ種は日本や韓国でも人気が高い。今回の輸出停滞が長引けば、産地の信頼や取引関係にも影響しかねず、政府による物流支援や国内販路の拡大が急務となっている。