コンケン県バーンヘート郡で栽培される高級品種「ナムドークマイ・シートーン(黄金のドークマイマンゴー)」の輸出が、中東情勢の長期化による燃料価格の高騰で深刻な打撃を受けている。海外からの注文が急減し、すでに収穫済みの80万個以上が出荷先を失ったまま滞留している状況である。
バーンヘート郡マンゴー輸出共同体の代表スティー・ティンラート氏によると、同共同体では4月上旬に収穫した果実を1個ずつ外観検査し、等級分けする作業を進めている。しかし、輸送コストの上昇を受けて海外バイヤーからの発注が大幅に減少し、従来なら即日出荷されていた果実が倉庫に積み上がっている。
問題はこれだけにとどまらない。今後40日以内にさらに約100万個の収穫が控えており、現在の在庫と合わせると180万個規模の供給過剰に陥る恐れがある。果実は鮮度が命であり、長期保管には限界があるため、農家の損失は日を追うごとに膨らむ。
同共同体では国内消費者に向けて購入を呼びかけている。ナムドークマイ・シートーンは果肉がきめ細かく糖度が高い品種で、輸出向けに丁寧に紙袋で包んで育てられた高品質品である。原油高で南部漁業や物流も悲鳴を上げており、燃料危機はタイの農水産業全体に波及している。
タイは世界有数のマンゴー輸出国であり、特にナムドークマイ種は日本や韓国でも人気が高い。今回の輸出停滞が長引けば、産地の信頼や取引関係にも影響しかねず、政府による物流支援や国内販路の拡大が急務となっている。
タイ経済は東南アジアの中でGDP規模でインドネシアに次ぐ第2位に位置する。2025年の実質成長率は約3〜4%で推移しており、観光業と電子機器輸出が主要な牽引力だ。ただし中東情勢に起因するエネルギー価格の高騰と、米中貿易摩擦の影響による輸出減速が重なり、2026年の見通しには不確実性が高まっている。タイ政府は経済対策パッケージの検討を急いでおり、燃料補助・物価対策・中小企業支援の3本柱での対応を進めている。
タイのGDPに占める消費の割合は約55%で、エネルギー価格の上昇は個人消費の冷え込みを通じて経済全体に波及する。特に低所得層の実質購買力低下は深刻で、政府の生活支援策の拡充が求められている。
タイバーツは2026年に入り中東情勢の影響で対ドルで軟調に推移し、輸入物価の上昇を通じてインフレ圧力が高まった。タイ中央銀行は金利政策と為替介入を慎重にバランスさせながら対応している。
タイのGDPに占める消費の割合は約55%で、エネルギー価格の上昇は個人消費の冷え込みを通じて経済全体に波及する。特に低所得層の実質購買力低下は深刻で、政府の生活支援策の拡充が求められている。タイバーツは2026年に入り中東情勢の影響で対ドルで軟調に推移し、輸入物価の上昇を通じてインフレ圧力が高まった。タイ中央銀行は金利政策と為替介入を慎重にバランスさせながら対応している。
タイの輸出は電子機器・自動車・農産品の3本柱で構成されており、合計で年間約2,500億ドル規模に上る。燃料高騰は輸送コストを押し上げ、輸出競争力に影響を与えかねない。政府は主要輸出産業への支援策と為替政策の両面で対応を強化している。
タイは人口約7,000万人を擁する大国で、バンコクを中心に経済・文化・政治が集中している。2026年現在、首相アヌティン・チャーンウィーラクーン率いる連立政権は、中東情勢の影響で高まるエネルギーコストと生活費上昇への対応を最優先課題としている。在タイ日本人・日本企業にとっても、タイの政策動向や社会情勢を把握し、適切に対応することが求められる局面だ。