タイの国家オンブズマン(ผู้ตรวจการแผ่นดิน)のソンサック・サイチュア議長は4月9日、偽ココナッツウォーターの根絶を目指して関係当局に対し検査体制の抜本的強化を命じた。3月に摘発されたサムットソンクラーム県での工場2か所への対応として、現地視察後に緊急の指示が出された。
摘発の背景
サムットソンクラーム県で3月に摘発された2か所の工場では、ペットボトルや加工品の形で「天然ココナッツウォーター」と偽った飲料を製造していた。実際には水に砂糖や添加物を加えたものだったとみられる。
タイのコクナッツウォーターは国内外で高い需要があり、輸出産品としても重要だ。偽装品の流通は消費者の健康を脅かすだけでなく、タイ産ブランド全体の信頼を傷つけることになる。
4つの緊急指示
ソンサック議長は4項目を関係機関に求めた。検査頻度を大幅に引き上げること、FDA・医科学局・県保健局・工業局などが合同で検査する多職種連携チームを編成すること、事前通告なしの抜き打ち検査を原則とすること、そして現行法では違反発覚後に製造を即時停止できないという制度的欠陥を解消するため規則改正を急ぐことだ。
制度の壁:罰金だけでは止まらない
現行規制の最大の問題は、食品偽装が発覚しても製造停止を命じる法的根拠がない点だ。罰金処分にとどまるため、業者が罰金を払って操業を続けることができてしまう。ソンサック議長はこれを「深刻な制度的欠陥」と明言し、製造停止命令権限の付与と罰則引き上げを改正案として提示した。
ソンサック議長は「ほうれんそう型の確認会議を開き、対策の進捗を監視する」と述べており、今後も継続的なフォローアップを行う方針だ。
