ソンクラー県ハートヤイのガソリンスタンドで、白いメルセデス・ベンツに乗った女がガソリン1,000バーツ(約4,900円)分を給油した後、QRコード決済を偽装してそのまま逃走した。被害を受けた23歳の店員は「3日分の給料が消えた」と訴えている。
事件が起きたのは4月6日午後2時42分ごろ。ハートヤイ市トゥンヤイ地区のスタンドに、30〜35歳とみられる身なりの整った女が白いベンツで乗りつけた。ガソリン95号を1,000バーツ分注文し、給油が終わるとスマートフォンを取り出してQRコードをスキャンする動作を見せた。
だが実際には決済は完了していなかった。店員が入金を確認する前に、女は車を急発進させてスタンドを去った。QRコードの決済画面を操作する振りだけして逃げる「偽スキャン」と呼ばれる手口で、近年タイのキャッシュレス決済の普及とともに被害が増えている。
被害に遭ったティーラポン氏(23)は「自分の日当は300バーツちょっと。1,000バーツは3日分以上の稼ぎだ」と話す。タイのガソリンスタンドでは客の未払いが発生すると担当した店員が自腹で弁済させられることが多く、「戻ってこなければ3日間タダ働きしたことになる」と肩を落とした。
日当300バーツ台(約1,500円)で働く若い店員が、高級車に乗った客の1,000バーツを肩代わりする。燃料価格が高騰するタイでは、ガソリンの踏み倒しが各地で問題になっている。ティーラポン氏は「どうか戻ってきて払ってほしい」と呼びかけた。

