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バンチャックが「廃油2Lでガソリン1L」交換を開始、燃料危機に台所から対抗

バンチャックが「廃油2Lでガソリン1L」交換を開始、燃料危機に台所から対抗

経済出典:Thairath2026/04/04 12:00

バンチャック石油が家庭の廃食油2リットルをガソリンまたはディーゼル1リットルと交換するキャンペーンを4月6日から開始する。集めた廃油は持続可能な航空燃料の原料になる。

燃料価格の高騰が続くタイで、石油大手バンチャックが一風変わった対策に乗り出した。家庭で使い終わった揚げ油を持ち込めば、ガソリンまたはディーゼルと交換してくれるという。

「Fry to Fly」と名付けられたこのパイロットプログラムは4月6日から30日まで実施される。交換レートは廃食油2リットルでレギュラーガソリンまたはディーゼル1リットル。1人あたりの上限は廃油20リットルで、最大10リットルの燃料を手に入れられる計算だ。プレミアム燃料は対象外となる。

対象はバンコクとその近郊の15か所のバンチャック系スタンドに限られる。バンコク市内のエカマイ、スクンビット99、ビバワディランシット、シーナカリンなど11か所のほか、サムットプラーカーン、ノンタブリー、パトゥムターニーの各県にも対象店舗がある。取引の便宜上、廃食油1キログラムを1リットルとして換算する。

集められた廃食油の行き先がまた面白い。バンチャックはこれをプラカノン精製所で持続可能な航空燃料(SAF)に精製する計画だ。同社のSAFプラントは現在試運転段階にあり、1日100万リットルの生産能力を持つ。2026年半ばの商業運転開始を見込んでおり、家庭から集めた揚げ油がいずれ旅客機のジェット燃料に変わる。

「Fry to Fly」はもともとバンチャックが廃食油回収の仕組みとして数年前から展開してきたプロジェクトである。従来は廃油を新しい食用油と交換する内容だったが、ディーゼル価格が47バーツ台に到達する燃料危機の中、車の燃料と直接交換する形に進化させた。PTTもB20ディーゼルを2県に拡大販売しており、石油各社が価格高騰への独自対応を競い合う構図だ。

日本でも廃食油のバイオディーゼル利用は一部自治体で進められているが、ガソリンスタンドで消費者が直接「油と油を物々交換」できる仕組みは聞いたことがない。対象店舗が15か所と限られるため混雑が予想される。ソンクラーン連休を前に、台所に溜まった廃油を持って行けば少しでも燃料費の足しになるかもしれない。