4月4日、タイ陸軍は兵舎内で兵士が殴り合う動画がSNSで拡散した件について公式見解を発表した。調査の結果、プラチュアップキーリーカン県にある予備役センター所属のタナラット兵営で3月27日に発生した乱闘だったと判明した。
事件に関与した現役兵士は10人。寝室として使われている兵舎内で個人的なトラブルから殴り合いに発展した。動画には複数の兵士が入り乱れて殴打し合う様子が映っており、SNS上で大きな反響を呼んだ。
予備役センター司令官は直ちに調査委員会を設置。調査の結果、10人全員が「部隊内での同僚への暴行」として軍規違反に問われ、1932年の軍紀法に基づき3か月の拘禁処分を受けた。さらに刑事事件としての立件も検討されている。
注目すべきは、兵士だけでなく監督者の責任も追及されている点だ。陸軍は「事態を放置した」として上官の処分にも言及しており、「刑事責任も例外なく追及する」と厳しい姿勢を見せた。
タイでは先日も陸軍が「制服から見えるタトゥー」の全国一斉検査を実施したばかりだ。新政権下で軍の規律強化が進むなか、兵舎内の暴力動画の拡散は軍のイメージに打撃を与えている。タイの徴兵制度をめぐっては以前から新兵へのいじめや暴力が問題視されており、今回の事件も根深い課題を浮き彫りにしている。