中東の軍事衝突によるエネルギー危機でタイの卵生産が急減した。養鶏場では猛暑と燃料高が重なり、1日200万個規模の生産減少が起きており、卵の小売価格が上昇している。
生産減の規模と原因
タイの卵生産者団体によれば、2026年3〜4月にかけて1日あたり200万個前後の生産量が失われている。通常の1日生産量は約4,400万個で、約4.5%の減産に相当する。
主な原因は二つある。一つは猛暑。3〜4月は気温が40度を超える日が続き、鶏が産卵機能を落とす。鶏舎内の冷却に電気を大量消費するが、電気代も上昇している。もう一つは燃料高による飼料コストの増加だ。飼料の主原料である大豆・トウモロコシは輸送コストが上がり、価格が上昇した。
卵の価格上昇
卵の小売価格は1個あたり20〜30サタン(約1円弱)上昇している。規格によって異なるが、1個4〜5バーツ程度の価格帯で20〜30サタンの上昇はパーセンテージでは数パーセントとなる。
卵はタイの庶民食の中核で、炒め物・スープ・おかずに欠かせない食材だ。価格上昇は家計へのじわじわとした影響をもたらす。特に低所得層にとって安価なタンパク源である卵の値上がりは打撃が大きい。
供給確保への対応
タイ商務省は卵が価格管理品目に含まれているため、卸・小売業者の動向を監視している。便乗値上げを防ぐ観点から、適正価格の範囲内での販売を業者に求めている。
一方で養鶏業者は「コストが上がっているのに価格が制限されれば採算が取れない」と訴えており、生産者と消費者保護の間でバランスを取ることが政府の課題だ。
日本との比較
日本でも2022〜2024年にかけて鳥インフルエンザと飼料高騰で卵価格が大幅上昇し、「物価の優等生」の異名が崩れた。タイでは鳥インフルエンザの問題は別にあるが、今回は燃料高・猛暑という外的要因での急減が特徴だ。どの国でも卵は日常消費品としての重要性が高く、価格変動が生活指標として報道される。