タイの金価格が2026年4月1日の取引終了時にさらに上昇した。タイ金商組合(TGTA)によると、金地金(ทองคำแท่ง)の売値は72,900バーツ(1バーツ重あたり)、装飾金(ทองรูปพรรณ)の売値は73,700バーツで取引を終えた。前日終値からの上昇幅は1,700バーツだった。
なぜこの日だけで1,700バーツ上昇したか
4月1日の相場を動かした主な要因は2点だ。一つは、中東情勢の不安が再び高まったこと。前日にはトランプ政権がイランへの制裁強化を発表し、ホルムズ海峡の通過リスクが市場で意識された。もう一つは、ドル安の進行だ。米国の製造業指標が弱含んだことでドル安が進み、ドルで取引される金の相対的な価値が上がった。
TGTAは1日2回(朝と夕方)に基準価格を更新する。この日は午前に前日比で上昇した後、午後もさらに値上がりして1,700バーツ高で引けた。
73,000バーツ台のカラクリ
タイの金価格は「バーツ重(บาท/baht troy weight)」という独自単位で表示される。1バーツ重は15.244グラムで、日本で一般的に使われる「グラム単位」への換算が必要だ。
72,900バーツ÷15.244グラム≒4,783バーツ/グラム。1バーツ≒4.3円で換算すると約20,566円/グラムとなる。日本の金価格(2026年4月時点で1万2,000〜1万3,000円/グラム前後)と比べると高めに映るが、これはバーツ/円の為替と販売マージンの違いによるものだ。
金の「ソンクラーン需要」
4月1日はタイのソンクラーン(タイ正月)が迫る時期だ。タイでは金の贈り物(特に金の装飾品)がソンクラーンや新年のプレゼントとして人気がある。この時期になると装飾金の購入が増える傾向がある。しかし2026年は価格が高騰していたため、「高くて買えない」「プレゼントを別のものに変えた」という声も聞かれた。
金への「駆け込み」投資
中東情勢が不安定な2026年の前半、タイの個人投資家の間では金への「駆け込み投資」が起きていた。ヤワラートの金ショップでは高値でも売れているとされ、一部では「金が一番安全だ」という心理的な逃避買いが続いていた。
タイの金商組合は「感情ではなく、分散投資の一環として長期目線で考えることが重要」と繰り返している。