タイ北部ペッチャブーン県で3月29日夕方、暑季特有の激しい嵐が5郡を直撃した。強風と豪雨に加えて雹が降り注ぎ、住宅66棟が損壊した。さらに落雷で水牛3頭が感電死する被害も確認された。
嵐は広範囲にわたり、強風で倒木が各所の道路をふさぎ、交通の混乱が生じた。当局は機材を投入して道路の除去・復旧作業を急いだ。雹はゴルフボール大のものもあり、農家が収穫中だったタバコの葉への被害が深刻だ。ペッチャブーン県は北部の山間部に位置し、タバコや花き類などの農作物が重要な収入源となっており、収穫期に雹の直撃を受けた農家の損害は大きい。
県知事は住民への緊急支援を指示するとともに、24時間体制での気象警戒を命じた。被害を受けた世帯には県と郡の職員が被害状況の確認と応急支援に向かった。
タイでは3月から5月の暑季に入ると、日中の強い日射で地面が急激に温められて上昇気流が発生し、午後から夕方にかけて「暑季の嵐(พายุฤดูร้อน)」と呼ばれる局地的な激しい雷雨が頻発する。タイ気象局は毎年この時期に暴風雨警報を繰り返し発表しており、農家は収穫のタイミングを気象情報に合わせて調整する必要がある。
水牛の感電死は農村部では毎年この時期に発生する事故だ。水田や畑で作業中の水牛が落雷を受けるケースや、金属製の農機具が雷の導体となるケースがある。水牛は農業用の家畜として今もタイの農村で使われており、1頭あたり数万バーツの価値がある。農家にとっての経済的損失は小さくない。
タイの気象当局は暑季に入ると各地への警戒情報を定期的に発信しており、農家や屋外で作業する労働者への注意喚起を強化している。