チャイナート県サッパヤー郡のアジアハイウェイ(130.8km地点)の中央分離帯で3月29日午後2時、10代の男女2人の遺体が発見された。17歳の少年と14歳の少女で、死後約2日が経過していた。
2日前の深夜、バイクがトラックに追突する事故が同地点で発生した。通報を受けた救急隊が現場に急行したが、その時に見つかったのはバイクだけだった。隊員は周辺を捜索したが暗闇の中で2人を発見できず、ひとまず引き揚げた。2日後、中央分離帯の植え込みの溝に2人の遺体が横たわっているのを別の通行者が発見した。遺体は植え込みの影になる位置にあり、外からは見えにくかった。
2日間にわたり数多くの車が通過した幹線道路の中央分離帯に、10代の若者2人がそのまま倒れていた事実は、タイの緊急医療体制の限界を物語っている。夜間の交通事故で搭乗者が吹き飛ばされた場合、暗闇と中央分離帯の植え込みが探索を困難にする。初動捜索が不十分なままに現場が引き上げられれば、生存者でも発見されるまでに死亡してしまうリスクがある。
タイの交通事故死亡者は年間約2万人にのぼる。WHOの統計では人口10万人あたり32.2人と世界最高水準に近い。日本(約2.7人)の約12倍だ。アジアハイウェイのような幹線道路では大型トラックとバイクの混在が多く、深夜帯に無灯火や居眠り状態で運転するトラックがバイクに追突する事故が繰り返されている。
2人が夜間に2人乗りでバイクを運転していた理由は不明だが、タイでは10代のバイク利用は一般的だ。ヘルメット着用率も若年層で特に低く、事故時の致命傷リスクが高い。