タイ南部チュンポーン県Sawi郡Wisai Tai区のアジアハイウェイ41号南行き車線で5月21日13時30分頃、6輪トラックがコントロールを失い、警察ハイウェイ検問所の手前で減速していた車4台に連続追突する事故が発生した。死者1人、男女4人が負傷、うちヤクルト乳酸菌飲料の配達員女性は重傷でSawi病院に緊急搬送された。トラックの荷台には雄牛が積まれており、衝撃で牛は荷台から飛び降りて道路上を逃げ回り、救助隊が牽引車で押さえ込んだ。タイ警察ハイウェイ部隊の見立てではタイヤ破裂・ブレーキ故障が原因と推定されている。
事故現場の混乱
事故現場はアジアハイウェイ41号(タイ国内の南北縦断幹線)、ボーイスカウト学校前のUターン手前。
道路上には事故車両の破片と荷物が散乱した。
被害車両は以下のとおり。
- 灰色フォードのピックアップ(Wisai Tai区の自治体所有)
- トヨタのピックアップ
- 黒色のメルセデス・ベンツのセダン
- ホンダWaveのサイドカー付きモーターサイクル
加えて、追突した6輪トラックの荷台に積まれていたヤクルトの乳酸菌飲料(タイのコンビニ・スーパーで広く売られる白い小瓶)のクレートが路上に散乱した。
ヤクルト配達員女性が重傷
負傷者は男性1人と女性3人の計4人。
そのうち1人は、タイの「ヤクルトレディ」(พนักงานสาวยาคูลท์)と呼ばれる女性配達員で、配達中に巻き込まれて重傷を負った。チュンポーン市内のSawi病院へ緊急搬送された。
タイのヤクルトレディは日本のヤクルトレディと同じく、自転車やモーターサイクルで個別宅・職場を回って販売する女性スタッフのこと。タイ全土に1万人以上の登録配達員がおり、地域に根ざした販売網を支えている。今回の事故では、配達ルート上で別の車両に同乗中だったか、走行中のバイクサイドカーで被害に遭った可能性が高い。
雄牛が荷台から飛び降りる
事故現場で異例の光景となったのが、6輪トラックの荷台から雄牛が衝突の衝撃で飛び降りたこと。
牛は事故の衝撃に驚いて路上を逃げ回り、救助隊員が押さえ込もうとしたが手に負えず、最終的に牽引車を用いて移動させた。タイ南部では牛・水牛などの家畜を6輪トラックで運搬する光景が日常的に見られ、家畜の市場移動・寺院儀式用奉納・農家間取引などで頻繁に走行している。
タイで家畜運搬中の事故は珍しくないが、衝撃で生きた牛が荷台から路面に飛び降りるケースは現場の救助活動を一気に難しくする。
検問前の減速が連鎖追突の引き金
事故が起きたのは、警察ハイウェイ検問所(ด่านตรวจตำรวจทางหลวง)の手前。検問所では運転免許・車検・違反取締まりを行うため、走行車両は手前で速度を落として停止する必要がある。
南北幹線のアジアハイウェイ41号は、バンコクとマレーシア国境をつなぐタイ南部の動脈。物流トラック・乗用車・観光バスが昼夜を問わず通行する。検問所手前の渋滞は日常的な光景で、減速・停止に慣れない外部からのトラック運転手が衝突する事故が過去にも報じられている。
警察ハイウェイ部隊の初期見立てでは、6輪トラックは検問所の存在を認識して減速したものの、タイヤ破裂またはブレーキ故障で停止できず、減速中の前方車4台に突っ込んだ可能性が高いとされる。
チュンポーン県の道路事情
チュンポーン県はタイ南部の入口に位置し、バンコク南行きの大動脈アジアハイウェイ41号が縦断する。マレーシア・シンガポール方面への物流の通過点として、大型トラック・トレーラーの通行量が多い。
タイ国家警察ハイウェイ部隊が毎年公表する統計でも、アジアハイウェイ41号は事故発生件数・死亡者数で上位に入る幹線の1つ。雨季(5月〜10月)の路面湿気とタイヤ摩耗の組み合わせで、タイヤ破裂事故が増える傾向が指摘されている。