コンケン県の金店に天井裏から侵入して金製品を盗んだ24歳のナリン容疑者(ナコンラーチャシーマー県ブアラーイ郡出身)が逮捕された。コンケン市バーンペット警察署のパークプーム・デーチャルアンシン署長が3月29日、現場検証を含む4か所での犯行再現を実施した。
犯行の手口は大胆なものだった。ナリン容疑者はコンケン市内の金店の天井裏に何らかの方法で潜り込み、天井板を外して店内に侵入した。盗んだ金製品の一部は市内のATM近くで現金化を試み、一部は路上に投棄された。警察はATM周辺、カード投棄場所、容疑者が使用したとみられるトヨタの白いピックアップトラックの駐車場所、そして現場の金店の4か所で犯行の再現を行い、証拠を固めた。
逮捕後、ナリン容疑者は切実な事情を語った。「父親が服役中で、母と弟妹4人を自分が養っている。金が足りなくなってやってしまった」という。また、犯行は単独で行い、事前に綿密な計画を立てたわけではないとも述べた。
タイでは金装飾品(ทอง)は伝統的な資産保全手段として多くの家庭に保有されており、金店(ร้านทอง)はバンコクから地方都市まで街中に多数存在する。金製品は換金しやすく高額なため、金店を狙った窃盗・強盗事件はタイ全土で後を絶たない。天井裏からの侵入という手口は、シャッターや扉の直接破壊を避けた巧妙な方法といえる。
貧困や家族状況を犯行理由として挙げるケースはタイの裁判でもしばしばみられる。今回のように父親が服役中で家族の生計を一人で支える若者が犯罪に走るという構造は、タイの貧困層が抱える経済的困窮と社会的セーフティネットの課題を反映している。ただし動機が何であれ、犯罪行為への法的責任は免れない。ナリン容疑者は窃盗罪で訴追される見通しだ。