米国ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は2026年3月下旬、1日で585ポイント急落した。背景には原油価格の急騰とインフレへの再懸念があり、米連邦準備制度(Fed)が高金利を長期維持するとの観測が株式市場の売り圧力を高めた。テヘラン(イラン)への攻撃に関わる報道が出たことで、中東情勢への懸念が一気に強まった。
前日に発表された3月の米消費者信頼感指数(Conference Board)が市場予測を大幅に下回ったことも売りを加速させた。インフレが再加速する懸念が高まると、Fedは利下げを遅らせることになり、借り入れコストが高止まりした状態が続く。これが企業の設備投資や住宅市場を冷やし、景気後退リスクとして株価に織り込まれる。
タイ株式市場(SET)への影響も即日現れた。外国人投資家がリスクオフ(安全資産への逃避)姿勢を強め、タイ株・債券の売り越しが加速した。SET指数は当日に1〜2%の下落を記録し、バーツも下落圧力を受けた。
原油高とインフレ再懸念は日本株にも影響した。日経平均株価は同日の取引で1〜2%下落し、エネルギーや商社株は特に売り込まれた。円安・ドル高が輸入インフレを刺激し、日本の消費者物価にも影響する可能性がある。
今回のダウ急落は「単独の一日のできごと」ではなく、中東情勢の長期化が続く限り、株式市場の不安定な状態が続くことを示している。タイ経済はエネルギー輸入依存度が高く、原油高騰と国際株安の複合的な圧力に対する財政・金融政策の対応が引き続き問われる局面だ。