タイ南部クラビー県のホテルに宿泊中のカップルが、深夜に「首を何か冷たいものが這った」という感覚で目が覚め、布団をめくるとコブラがいた。騒ぎを聞いたホテルスタッフが専門の捕獲業者を呼び、数分の捜索の後にベッドの頭側の隙間からコブラを発見・捕獲した。
事件の詳細
SNSの投稿によれば、宿泊者はカップルで、男性が先に起床したところ彼女が叫んで知らせてきた。「コブラが布団の上を這って首を通過した」と訴え、男性が確認するとベッドの端にコブラが待機していた。コブラは捕獲業者がトングを使って袋に収め、屋外に放した。
捕獲業者は「2階以上のフロアでコブラが見つかるのは珍しい。建物外壁に接した木の枝から侵入したと考えられる」と説明した。コブラはキングコブラではなく、タイ中南部に多いコブラ(Naja kaouthia)とみられる。
タイのコブラと毒蛇
タイには30種以上の毒蛇が生息し、最も危険なのはコブラ類とクレイト類だ。Naja kaouthia(タイコブラ)はタイ全土に広く分布し、神経毒を持つ。噛まれた場合、適切な抗毒素治療を受けなければ数時間以内に死亡する可能性がある。
タイでは年間数百件の蛇咬傷事故が報告され、うち数十件は致死例だ。コブラは人間を積極的に攻撃する蛇ではなく、追い詰めたり驚かせたりした場合に防御として咬む。
蛇の室内侵入が増える暑季
タイでは暑季(3〜5月)に蛇が室内に侵入するケースが増える。理由は二つある。まず、外気温が45度近くに達する日もある暑季には、蛇がエアコンの効いた涼しい室内を目指す。次に、乾燥した時期に水や食料(ネズミ・ヤモリ)を求めて人家周辺に出没しやすくなる。
バンコクの消防署のデータでは、蛇の捕獲出動は年間約3万件に上る。特に雨季前の4〜5月と雨季中の7〜8月に多い。
旅行者への注意
タイのホテルに宿泊する際は、特にクラビー・プーケット・サムイ島などのリゾートや地方のゲストハウスで就寝前の部屋確認が重要だ。荷物は床に直置きせずトレーやラックの上に。室内のドアや窓の隙間をチェックする習慣をつけることで、蛇との遭遇リスクを減らせる。万が一蛇を発見した場合は自分で捕まえようとせず、すぐにスタッフに連絡することが鉄則だ。