在タイ米国大使館は3月27日、タイを含む75カ国を対象に移民ビザの発給を1月21日付で一時停止したと発表した。米国国務省が適用したこの措置は「公的支援の受給率が高い移民を多数輩出している国」を対象としたもので、トランプ政権の移民政策の一環だ。
何が止まっているのか
停止されたのは「移民ビザ(Immigrant Visa)」だ。家族呼び寄せビザ(F1〜F4類)、配偶者・子のビザ(IR1/CR1)、雇用ベース永住ビザ(EB-1〜EB-5)など、米国永住(グリーンカード)を取得するための手続きが止まっている。
非移民ビザ(観光・商用のB1/B2ビザ、留学のF1ビザ、就労のH1Bビザなど)は現時点では対象外とされているが、情勢は流動的だ。入国禁止令などの追加措置も否定されていない。
タイへの影響
タイ人で米国永住を目指している人、または米国籍・永住権保持者がタイ人の家族を呼び寄せようとしている人が直接影響を受ける。ビザ申請が受け付けられず、既に申請中の人も処理が止まっている状態だ。
在タイの日本人への直接的な影響は限定的だ。日本国籍保持者はビザウェイバー(ESTA)の対象であり、90日以内の観光・商用渡航は引き続き可能だ。ただし日タイ両国籍を持つ人や、米国就労・移住を計画している人は最新情報の確認が必要だ。
75カ国という異例の広範な対象
今回の停止対象は75カ国と広範囲にわたる。アジアではタイのほか、インドネシア・バングラデシュ・パキスタン・フィリピンなども含まれるとされる。中東・アフリカ・中南米の多くの国も対象だ。これは単なる国家安全保障上の懸念にとどまらず、社会福祉への財政負担という経済的理由も前面に出た措置であり、トランプ政権の移民管理方針を象徴するものとなっている。