タイ農業省のウィナロート事務次官が、化学肥料の使用比率を下げ、有機肥料との割合を70対30にするよう農家に呼びかけた。中東情勢に起因する物流コストの上昇で化学肥料の供給が逼迫しており、コスト削減と供給制約の両面から有機肥料へのシフトを促す。
事務次官によると、現在は収穫期と次の作付け準備が重なる時期にあたり、化学肥料の需要が高まっている。しかし原油価格の高騰で輸送コストが上昇し、輸入に頼る化学肥料の価格も上がっている。供給量自体も限られている状況だ。
農業省は関連機関に対し、農家への現場指導を強化するよう指示した。化学肥料を作物の需要に合わせて適切に使用する方法を伝えるとともに、有機肥料への切り替えを段階的に進める方針だ。有機肥料70%、化学肥料30%という比率は、生産コストの削減と化学肥料の消費量抑制を同時に実現する目標値として設定された。
タイの農業は国内総生産の約8%を占め、労働人口の約3割が従事する基幹産業だ。肥料コストの上昇は米、ゴム、サトウキビなど主要作物の生産コストに直結し、最終的には食品価格に跳ね返る。
事務次官は「状況を継続的にモニタリングし、追加の対策も検討する」としたうえで、商務省による価格管理との連携や他の関連機関との協力が不可欠だと強調した。