アヌティン首相が燃料価格の6バーツ一斉値上げについて「市場原理に基づくもの」と説明し、中東情勢が続く限り「さらに上がる可能性がある」と認めた。一方で燃料の供給不足はないと断言し、国民に省エネへの協力を呼びかけた。
首相は値上げの理由を2つ挙げた。1つは価格を人為的に低く抑え続ければ国家予算が日々消耗すること。もう1つは、安い価格を維持すると燃料が近隣国に流出したり、買い占めが発生するリスクが高まることだ。「世界市場の価格に合わせざるを得ない」と首相は述べた。
最近報じられたホルムズ海峡の封鎖の動きにも触れ、「中東の緊張が続けば価格はさらに上昇する可能性がある」との見通しを示した。政府は当初15日間にわたって価格を抑制する支援策を実施したが、紛争が長期化する中で無期限の補助は不可能だとした。
供給面については「原油の輸入と精製品の調達が可能で、タイで燃料が枯渇することはない」と断言。国内で精製したディーゼルをラオスへの輸出から国内供給に振り向ける指示も出した。消費者の信頼回復を狙った措置だ。
首相は「ASEAN諸国の中では、自国で燃料を生産している国と比べてもタイの価格は比較的安い」と強調。そのうえで全分野に対し、省エネ、在宅勤務の活用、公共交通機関の利用拡大を要請した。ソンクラン連休に向けては交通機関の増便準備も指示している。