SCBXの株価が前日比1%上昇した。バーチャルバンク子会社「BankX(แบงก์เอกซ์)」設立の発表を株式市場が好感しており、証券会社は「強気(Buy)」の投資判断を維持した。
新たに判明した増資計画が投資家の注目を集めた。BankXは2026年(タイ仏暦2569年)中に5,000億バーツ(約2兆円)規模の増資を予定している。設立時の払込資本は1万バーツという形式的な金額だったが、タイ中央銀行(BOT)のバーチャルバンクライセンス取得後に大幅な資本積み増しを行う計画だ。
SCBXはあわせて、以前から交渉していたベトナムのフィンテック企業Home Credit Vietnamの買収計画を正式に白紙撤回することも発表した。市場では買収断念を「好材料」として評価する声もある。Home Creditの買収は規模が大きく、資金調達コストや統合リスクが懸念されていた。BankXへのリソース集中は、シナジーが期待しやすい国内デジタル金融への戦略転換を示す。
タイのバーチャルバンクライセンスはBOTが2025年から審査を進めており、申請企業の中にはGrab、LINE、AISなど複数のテクノロジー・通信企業が含まれる。SCBXはKakaoBank(韓国)とWeBank(中国)との提携を武器に、最も技術力の高い申請者の一角として評価されている。
証券会社は今後の株価に追加上昇の余地があると指摘した。自社株買いや特別配当の可能性も材料の一つだ。タイの銀行株全体がバーチャルバンク解禁と金融デジタル化の流れを追い風に受けており、その先陣を切るSCBXへの期待感が根強い。
