プラチャコート研究所(สถาบันพระปกเกล้า、英名:King Prajadhipok's Institute)が実施した世論調査で、タイ国民の78.9%が燃料価格と物価上昇を「不安に感じている」と回答した。バンコク都民とZ世代(1990年代後半以降生まれ)は、政府の危機対応への信頼度が特に低いことも明らかになった。
調査結果の概要
調査は2026年3月下旬に実施され、全国から無作為抽出した約2,000人が対象となった。調査責任者のイサラ・セーリーワットナウット事務局長が結果を発表した。
不安を感じると回答した78.9%という数字は、バンコクと地方を合わせた全体平均だ。地域別では都市部(バンコク)の不安感が農村部より若干高かった。年代別では40〜50代の生産年齢層が最も不安を感じており、Z世代(18〜25歳)は「不安は感じるが、政府が解決してくれるとは思っていない」という態度が目立った。
政府への信頼の低さ
政府の燃料危機への対応について、バンコク都民の約55%が「不十分または遅い」と評価した。Z世代では「信頼する」と答えた割合が全年代で最も低く、28%にとどまった。
研究所は「SNSで情報が素早く広まる現代では、政府の発表と現場の実態にギャップがあると信頼は急速に失われる」と指摘した。燃料危機が始まった当初、政府は「十分な備蓄がある」と繰り返し発表したが、スタンドが次々と空になる現実との乖離がSNSで可視化され、批判が増幅した。
世論が示す課題
78.9%が不安を感じているという数字は、タイ政府が今後の政策において国民の生活コスト問題を最優先課題に位置づける必要性を示している。
2025年のタイの消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比約3.5%だった。2026年に入り中東危機による燃料高騰が重なったことで、特に交通費と食料品費への影響が大きくなっている。タイの食費は家庭消費の約30%を占め、外食・屋台文化が根付くタイでは食料品価格の上昇が直接的な生活苦につながる。
タイの世論調査機関とその役割
プラチャコート研究所は1995年に設立されたタイの政治行政研究機関だ。独立した研究機関として政府や市民社会に政策提言を行う役割を担う。「KPI Poll」の名称で定期的な世論調査を発表しており、政治家や政策立案者が参照する信頼性の高いデータ源とされている。タイの政治的に難しい時期(クーデター後の政権移行期など)においても、継続的に民意を測定してきた実績がある。