タイ北部チェンマイ県でPM2.5(微小粒子状物質)が基準値を大幅に超え、深刻な大気汚染が広がっている。県内で207か所の火災地点が確認され、知事が緊急の消火・大気汚染対策を指示した。
衛星データを分析するタイの宇宙技術開発機関(GISTDA)は同日、全国で2,145のホットスポット(高温地点)を検出したと発表した。このうち半数以上が保全林や国立公園内で発生しており、森林火災が大気汚染の主要因だ。
チェンマイはタイ第2の都市であり、日本人観光客やデジタルノマドにも人気の高い都市だ。しかし毎年2月から4月にかけての乾季には、農地の野焼きや森林火災でPM2.5が危険な水準に達する。今年は特に深刻で、複数の地区で「赤色」(健康に悪影響)のレベルに達している。ランプーン県リー郡では最悪の数値が記録された。
PM2.5は直径2.5マイクロメートル以下の微粒子で、肺の奥深くまで入り込み、呼吸器疾患や心臓病のリスクを高める。タイの安全基準は37.5μg/m³だが、チェンマイ周辺では100を超える地点もある。日本の環境基準(15μg/m³)と比べると、その深刻さがわかる。
知事はすべての野焼きの即時中止を命じ、関係機関に消火活動の強化を指示した。しかし広大な山岳地帯での火災は消火が困難で、雨季の到来(例年5月頃)まで根本的な改善は見込めない。
チェンマイへの旅行を計画している場合は、PM2.5の数値を事前に確認し、N95マスクの携帯を推奨する。屋外活動は控え、エアコン付きの宿泊施設を選ぶことが望ましい。
出典:GISTDA