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ポリタンク行列に漁船200隻停泊 タイ燃料危機が地方の生活を直撃

経済出典:Thairath2026/03/24 21:00

東北部ローイエット県で1キロの給油行列、南部では漁船200隻が停泊。燃料供給量は通常の50%に削減され、国境フェリーの利用者も半減した。

タイの燃料不足が地方部の暮らしに深刻な影響を及ぼしている。東北部ローイエット県では住民がポリタンクを手に約1キロの行列を作り、南部ナコンシータマラート県では200隻を超える漁船が出漁できず港に停泊したままだ。

ローイエット県ムアンスワンナプーム郡では3月24日、数少ないガソリンスタンドに住民が殺到した。県内の燃料供給量は通常の50%に削減されており、大型スタンドは地域にわずか3か所しかない。行政官と警察が現場に駆けつけ、行列の秩序維持にあたった。農家にとっては乾季の灌漑用発電機や農業機械を動かすための燃料確保が死活問題で、県内20郡すべてが影響を受けている。

ナコンシータマラート県の沿岸部では、ディーゼルの入手が困難になり、沿岸漁船200隻以上が港に係留されたままになっている。スタンドによっては1回500バーツ(約2,100円)の給油制限が設けられており、漁船への給油は事実上不可能な状態だ。地元漁業協会のチャルーン会長は「遠洋漁業に出られない」と窮状を訴え、関係当局に燃料の適切な配分を求めた。

燃料危機は国境の人の往来にも波及している。ナコンパノム県のタイ-ラオス国境フェリー港では、通常1日300〜500人の利用者が100人を下回る日もあり、旅客数が50%以上減少した。フェリー自体の運航には問題ないが、燃料費高騰と物価上昇で住民の移動が減っている。4月のソンクラン(タイ正月)を前に、観光業者は書き入れ時の客足への打撃を懸念する。

一方、供給面ではわずかに明るい材料もある。バンチャック社の石油タンカーがペルシャ湾のホルムズ海峡を無事通過し、現在インド洋を航行中だ。4月初旬にタイへ到着する見込みで、原油供給の一部が回復する可能性がある。ただし、到着後も精製・流通には時間がかかるため、地方への即効性は限定的とみられる。

イラン情勢に端を発した今回の燃料危機は、都市部のガソリンスタンドだけでなく、農業・漁業・国境貿易というタイ地方経済の根幹を揺さぶっている。