チェンマイのニマンヘミン(Nimman)地区のカフェで、タイ人の地元客が「ビザ免除で長期滞在する外国人にもううんざり」と感じる理由を記したThe Thaigerの記事が話題を集めた。カフェでコーヒー1杯を長時間の仕事の代償に注文する外国人ノマドの姿が、この記事の出発点だ。
タイ人の不満:3つの柱
記事が拾い上げたタイ人の不満は主に3点だ。
まずビザ免除を悪用した不法就労の問題がある。観光目的のビザ免除でタイに入国しながら、実際にはフリーランスとしてタイ国内で収入を得ているケースが横行しており、地元の就労者との競合が生じているとされる。
次に地元の物価上昇だ。バンコクやチェンマイの主要エリアで外国人需要が家賃を押し上げ、長年そこに住むタイ人が手を出せない水準になっているという声がある。チェンマイのニマン地区は特に顕著で、月3〜5万バーツで生活できる外国人の存在がコミュニティの家賃相場に影響を与えている。
三つ目はタイ文化への敬意の欠如だ。「お客様」意識のまま行動し、地元のルールやマナーを軽視する外国人に対するフラストレーションが蓄積している。
政策との関係
このような草の根の不満が、ビザ免除期間を60日から30日に短縮する政策議論の背景にある。外務省は「制度の悪用防止」を公式な理由として挙げたが、地域住民の声も無視できない要素として政策に影響を与えた。
ノマドとホストコミュニティのバランス
一方で、外国人の長期滞在が観光業・飲食業・コワーキング産業に経済効果をもたらすのも事実だ。チェンマイはデジタルノマドの目的地として世界的な注目を集め、関連ビジネスが成長した。「共存のあり方」の模索が課題となっている。