ナコンラチャシマー(コラート)県ブアヤイ郡で2026年3月24日、人気の焼き鳥店「ウィチアンブリー支店」が1羽あたりの価格を140バーツから150バーツに引き上げた。開業20年以上の老舗で、鶏・豚・原材料費の上昇に加えて燃料高騰による炭の値上がりが重なり、値上げを余儀なくされた。
店主のサムラン・トーンプー氏(49歳)は「鶏は140バーツで売っていたが、燃料代・輸送費・炭代・原材料が全部上がったので150バーツにさせてもらった。ずっと我慢してきたが、もう維持できない」と語った。店では豚肉や付け合わせの野菜も値上がりしており、焼き鳥以外のメニューも影響が出ているとした。
コラートはタイ最大の面積を持つ東北部の主要都市で、農業・製造業・観光業の要所だ。農業機械・トラック・市場配送に依存している地方産業では、ディーゼル価格が上がるとほぼ全ての物価に波及する。飲食業界も例外ではなく、2026年3月以降は全国の屋台・食堂で小幅値上げが相次いだ。
タイ商務省の物価監視局が全国の食材価格を定期的に公表しているが、飲食店の販売価格まで規制対象とするのは事実上困難だ。タイでは食べ物の値段が「庶民感覚のバロメーター」として機能するため、屋台や食堂の値上げは生活実感への直接的な打撃として受け止められる。
1羽10バーツの値上げは一見小幅だが、週に数回焼き鳥を買う家庭では月単位での出費増につながる。タイの最低賃金は地域によって異なり2025年時点で375〜400バーツ前後。物価上昇が賃金の伸びを上回る状況が続いており、低収入世帯への負担が積み重なっている。