燃料危機がタイの食料供給チェーンに直撃し、豚肉と海産物の仕入れ値が急騰している。2026年3月下旬時点でコーラート(ナコンラーチャシーマー)県などの市場では、商品が値上がりしているにもかかわらず買い客が激減するという二重苦の状況が続いている。
豚肉の仕入れ価格が上昇
市場の豚肉販売業者バンオン(70歳)は「仕入れ価格が上がり始めた。豚の飼育には飼料を運ぶトラックのコストがかかる。ディーゼルが上がれば飼料代も上がる。豚肉の値段を上げたくないが、このままでは利益が出ない」と話した。
豚肉はタイ国民の主要なたんぱく質源の一つで、家庭での消費量が多い。価格変動は庶民の食費に直接影響する。
海産物も値上がり傾向
海産物販売業者のヌート(57歳)は「今はまだ値上げしていない。トラックが仕入れ値を上げていないから。でも、ディーゼルがこれ以上上がれば、輸送業者も値上げせざるを得ない。そうなれば私たちも上げなければならない」と述べた。
南部の漁港から内陸部への輸送ルートはほぼすべてディーゼル依存だ。漁船の燃料代上昇が水揚げコストを押し上げ、卸値が市場に転嫁される前に一段の値上がりが予想されている。
市場閑散の二重苦
一方で、買い物客の数は大幅に減っている。燃料費・物価全般が上がった影響で家計が圧迫され、市場での買い物を控える動きが出ている。商売人たちは「品物の値段を上げたら客が来なくなる。でも上げなければ赤字だ」という板挟みの苦しい状況に置かれている。
包装材(ビニール袋・食料容器など)の価格も上昇しており、石油由来のプラスチック素材の値上がりが飲食業全体を圧迫している。