スワンナプーム国際空港の中に10日以上滞在し続けている米国人男性の動画がSNSで話題になっている。男性はInstagramに空港内での日常生活を記録した動画を投稿し、「中東戦争による航空運賃高騰のため先へ進めない」と説明している。
空港のどこに滞在しているのか
タイチャンネル3(CH3)の報道によると、男性は空港の出国後エリア(制限エリア)に10日以上滞在しているとみられる。スワンナプーム空港は24時間365日営業で、制限エリア内にはホテル(NOVOTEL)、各種レストラン、コンビニ、シャワー施設、マッサージ店が揃っており、快適さという点では空港外と大きな差はない。
理論上、チェックイン済みの搭乗券があれば出国審査を通過して制限エリアに入ることができる。ただし通常は乗り継ぎ時間に制限があるため、長期滞在を意図した場合は航空会社との調整が必要になる。
映画「ターミナル」を思わせる構図
この状況は2004年のトム・ハンクス主演映画「ターミナル」を連想させる。映画はイラン人のメヘラン・カリミ・ナセリが実際にパリ・シャルル・ド・ゴール空港に18年間住み続けた実話を基にしている。ナセリは2022年に同空港内で死亡した。
ただし今回の米国人男性の状況は異なる。国籍問題や難民認定の問題ではなく、経済的理由による「足止め」だという。中東情勢の悪化による航空運賃の急騰は2026年3月以降、タイ発着の国際線でも顕著で、一部路線では通常の5倍超の価格が設定されている。
出国エリアに長期滞在した場合の法的問題
タイ入国管理局は男性の状況を把握しているとみられる。出国審査後の制限エリアに滞在している限り、技術的には「タイ入国」ではないため、在留資格上の問題は生じにくい。しかし空港の保安・施設管理上の懸念から、当局が対応を検討する可能性もある。
実際のところ、スワンナプーム空港のスタッフは特に強制退去などの措置はとっていないとみられており、男性は引き続き動画を投稿して注目を集めている。