タイ証券取引委員会(SEC)は投資信託および私募ファンドが仮想通貨に直接投資することを正式に許可した。これにより機関投資家が仮想通貨市場に参入しやすくなり、タイの仮想通貨市場の規模拡大が加速する見通しだ。
従来タイでは個人投資家は登録取引所を通じた仮想通貨取引が認められていたが、投資信託や年金基金などの機関投資家が直接仮想通貨を保有・投資することは制限されていた。今回の規制緩和は、こうした機関投資家が運用するファンドを通じて仮想通貨に直接投資できるようにするものだ。
背景にはビットコインETFが2024年に米国で承認されたことへの世界的な関心の高まりがある。米国でのビットコイン現物ETFの成功を受け、アジア各国でも機関投資家の仮想通貨市場参入を認める方向での規制見直しが進んでいる。香港は2024年にビットコインとイーサリアムのETFを承認しており、タイもそのトレンドに追随した形だ。
タイのSECは仮想通貨取引所の登録制度を設け、デジタル資産の売買・保管に関するライセンス制度も整備してきた。機関投資家への開放は、このデジタル資産規制の枠組みがある程度整備されたことで実現した措置でもある。仮想通貨市場への機関マネーの流入は流動性の向上をもたらすと同時に、価格の安定化効果があるとされる。
日本では2024年時点で投資信託が仮想通貨に直接投資することは認められておらず、規制の面でタイが日本より先行する形となった。タイのこうした規制緩和の動向は、ASEAN域内での仮想通貨市場の整備と各国間の規制競争という観点でも注目される。
