スワンナプーム国際空港が2026年の「世界最高空港ランキング(World's Best Airports)」で世界36位を獲得した。前年の39位から3ランク上昇しており、タイ空港公社(AOT)が公式Facebookで発表した。
評価機関と審査基準
ランキングを手がけるのは英国の航空格付け機関Skytrax。旅客サービスの質、ターミナルの清潔さ、乗り換えのスムーズさ、入国審査の待ち時間、商業施設の充実度など100以上の項目を基に評価する。評価対象は世界550以上の空港で、年間約1,400万人の旅客データが判断材料となる。
AOTはFacebook声明の中で「スワンナプームとドンムアンの2空港が今年もランキングに選ばれた。サービスの継続的な改善が実を結んだ」と述べた。両空港がそろって名前を連ねることで、タイ全体の航空インフラの水準が評価されたと受け取ることができる。
第2ターミナル建設が進行中
スワンナプームは現在、年間旅客処理能力を6,000万人から最終的に1億5,000万人規模へ拡張する長期計画を推進中だ。その中核となる第2旅客ターミナルは2028年の開業を目指して建設が進んでいる。滑走路の拡張や貨物ターミナルの増強も並行して行われており、アジア最大級のハブを目指す青写真が着々と形になりつつある。
2006年の開港以来、スワンナプームは東南アジア有数のトランジットハブとして機能してきた。就航都市数は170以上、受け入れ航空会社は国内外100社を超える。バンコクの東南に位置し、高速道路や空港鉄道で都心部と結ばれている。ドンムアン国際空港がLCCの拠点として機能する一方、スワンナプームはフルサービスキャリアの主要ゲートウェイとして役割分担している。
旅行者が知っておきたい乗り継ぎ情報
スワンナプームはアジアと欧州・中東・オセアニアを結ぶ乗り継ぎハブとして定評がある。日本からタイへの直行便が取れない場合でも、スワンナプーム経由で第三国へ乗り継ぐルートが多く利用される。乗り継ぎ時間が8時間以上あれば「トランジットビザ」なしでバンコク市内への一時外出(タイ・トランジット・ビザ免除)を利用できる国籍もあり、短期観光を組み合わせる旅行者も少なくない。
ターミナル内には24時間営業の飲食店が充実しており、深夜の乗り継ぎでも困ることはない。免税店のラインナップは東南アジア有数の規模で、タイ産の食品や雑貨、コスメを揃える。
タイの観光業との連動
タイ観光スポーツ省のデータによると、2025年の外国人訪問者数は約3,900万人で、コロナ前の2019年(約3,960万人)にほぼ回復した。2026年はソンクラン連休期間中の国際線利用者数が前年同期比で約8%増加し、回復傾向が続いていることが確認されている。
空港ランキングの上昇は単なるブランドイメージにとどまらない。評価が高いハブ空港には、航空会社が新規就航や増便を検討しやすくなる効果がある。スワンナプームへの直行便ネットワークが厚くなれば、タイ全体の観光収入の増加と地方観光地への分散効果も期待できる。
タイ全体の空港利用者数は2025年に約1億4,000万人(国内外合計)に達し、コロナ前に近い水準まで戻っている。スワンナプームが世界ランキングでさらに上位を目指すには、第2ターミナルの完成と運用開始が鍵となる。