BOI(タイ投資委員会)は2026年3月、英国の大型バイクメーカー「トライアンフ・モーターサイクルズ」がタイ工場の設備拡張に40億バーツ超を投資する計画を承認した。チョンブリ県のアマタシティ工業団地での生産能力増強で、95%を輸出する方針だ。
投資の詳細
BOI事務局長のナルット・トートサタシーサック氏が発表した。トライアンフ・モーターサイクルズ(タイランド)社が申請した投資計画は、500cc以上の大型・中型バイクおよびそのエンジン・部品の一貫生産体制の拡張だ。
投資額は40億バーツ以上で、アマタシティ工業団地(チョンブリ県)の既存工場を拡張する形で実施される。完成後は英国本社と周辺アジア諸国に95%が輸出され、残り5%が国内販売向けとなる。
タイのトライアンフ拠点の歴史
トライアンフはタイに2009年から生産拠点を持っている。当初は限られた規模だったが、順次設備を拡充してきた。タイはASEANの中心的な製造・輸出拠点として活用されており、2輪車生産では英国本社の重要な補完役を担ってきた。
大型バイク市場の成長
トライアンフが拡張投資に踏み切る背景には、世界的な大型バイク(ビッグバイク)市場の需要成長がある。特に高所得層やライフスタイル志向の消費者をターゲットにしたプレミアムバイクへの需要は、アジア市場でも増加傾向にある。
タイ国内でも大型バイク(400cc超)の登録台数は増加しており、観光・ツーリング需要とともに成長している。Harley-Davidson、BMW Motorrad、Honda(CB・Africaシリーズ)との競合が激化する中、トライアンフは独自のブリティッシュブランドとしての差別化を図っている。
BOI恩典とタイの二輪産業
BOIの投資奨励を受けることで、トライアンフは法人税免除・輸入関税免除などの優遇を享受できる。タイ政府はEVシフトを推進しながらも、内燃機関の大型バイクや部品製造の雇用・技術移転効果も重視している。
タイは年間約160〜180万台の二輪車を生産する、世界有数の二輪生産国だ。ホンダ・ヤマハ・カワサキ・スズキの日系大手に加えて、トライアンフ・KTM・BMWなど欧州系の大型バイクメーカーも拠点を置く。今回の拡張投資はタイの二輪産業の多様化を示すものだ。