ホンダが日本製ミニバン「ステップワゴンSPADA e:HEV」をタイで1,780,000バーツ(約770万円)で正式発売した。日本からの完成車(CBU)輸入モデルで、ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載した7人乗りの電動スライドドア付きミニバンだ。
ステップワゴンはホンダの国内主力ミニバンで、日本で30年近く販売が続く定番モデルだ。現行のe:HEVは2.0Lアトキンソンサイクルエンジンとモーターを組み合わせ、市街地ではほぼEV走行、高速道路ではエンジン直結で効率を最大化する。WLTCモード燃費は日本国内基準で20.0km/L相当だ。車内は3列シートで2・3列目ともにスライドし、大人7人が乗れる実用空間を確保している。電動スライドドアは両側に装備され、子どもを乗せたり荷物の積み下ろしをしたりする場面で重宝する。
タイ市場でのミニバン需要は比較的ニッチだが、長期滞在する家族連れや在留邦人を中心に根強い支持がある。競合は日産セレナe-POWERで、こちらも日本製ハイブリッドミニバンとして先行している。ステップワゴンの参入で選択肢が広がった形だ。
178万バーツという価格は日本での国内販売価格(約380万円前後)と比較してかなり高い。タイへのCBU輸入では輸入関税と物品税が上乗せされ、価格が2倍前後になるのは一般的だ。燃料高騰が続くタイでは燃費の良いハイブリッド車への注目が高まっており、走行コストを長期で試算すると割安感が出る可能性がある。
タイのミニバン市場でかつて強かった日本勢は、中国系EVメーカーの攻勢で押され気味だ。ステップワゴンは価格よりも「日本の品質・安全性・使い勝手」を求める層に向けた製品であり、価格競争より価値訴求の路線をとる。BYDやMGが価格勝負をする中で、ホンダがこの市場でどの程度の受注を獲得できるかが注目される。