タイ警察庁長官キッタラット・パンペット警察大将が5月21日午前11時10分、政府庁舎で記者団の取材に応じ、5月26日に全国の警察に対する一斉会議を開くと明らかにした。テーマは、列車と道路が交差する踏切まわりの取締強化と、運転手・警察官それぞれの規律の見直しだ。
会議の組み立てはこうだ。首都圏のバンコク警視庁管内では、関係する警察署長を直接呼び集める。地方は各県警本部・各県管轄の警察署長を、ビデオ会議でつなぐ。長官自身の言葉によれば「2、3の急ぎの課題」について、各レベルの幹部に直接伝えたい、ということらしい。
引っかかったのは、長官が「運転手の規律」だけではなく、「警察官の側が信号を切り替えて交通を流してあげるべき場面で、それができていない」という構造にも明確に触れていた点だ。記者からの指摘に対して、長官は否定するでもなく、その通りだと認めた上で、3つの条件を畳みかけるように説明した。車の数は明らかに増えている。一方で道は同じ幅のまま。さらにそこへ、地上を削るような鉄道延伸の工事が走っている。これだけ重なれば渋滞して当然で、警察と幹部が一緒に頭をひねって、信号や誘導の仕組みでなんとかするしかない、と。
「2、3日で解決する話ではない、時間がかかる」と長官は率直に認めている。トップが歯切れよく「短期決戦でやる」と宣言する形ではなく、自分たちの限界も含めて言葉にしたところが、むしろリアルだった。タイの都市交通は、車の伸びにインフラの拡張が追いつかないまま走り続けてきた。そこに高架鉄道の工事が重なる風景は、バンコクで運転したことがある人なら日々目にしているはずだ。
5月26日の会議で、現場の警察にどんな具体策が下りてくるのか。結果次第で、踏切まわりの警察の立ち方や、違反への詰めかたが見えてくることになる。タイで車を運転する側にとっても、しばらくは踏切手前の挙動を意識する場面が増えそうだ。