タイ中北部ペッチャブーン県ナムナオ郡ナムナオ町バーンサップサワン村Moo 3にある集落裏のcommunity forest(村の鬱蒼とした共同利用林)で5月21日、キノコ採取に来ていた37歳の男性が野生象に踏み殺される事故が発生した。Khaosodが同日報じた。
通報を受けて現場に駆けつけたのは、ナムナオ警察署のケムチャート・プラチョン署長と、地元自治体救急隊、ナムナオ病院の当直医師である。発見された遺体は上半身しか残っておらず、衣服も身につけていない状態だった。近くで右脚が、そして左脚は水溜まりに踏み込まれた状態で見つかったという。内臓は周囲に散乱し、現場一帯は踏み均されて平らになり、おびただしい数の象の足跡が残されていた。象が長時間にわたり繰り返し踏みつけた跡である。
被害者はマハサーラカム県チェンユン郡ナートン町出身のパーp氏(化名)、37歳。仲間と複数人でキノコ採取に来ていたという。食用キノコを採って自分たちで食べ、余れば売って収入にする目的だった。警察の現場検証では、被害者が屈んでキノコを採っていたところに餌を探していた野生象と鉢合わせし、驚いた象が走り出し、仲間は別方向に散って助かったものの、本人は逃げ遅れたと見られている。
タイの雨季入り直後はキノコが森に大量発生する時期で、東北部から中北部の山へ採取に入る人が増える。今回亡くなった男性も東北部マハサーラカム県から、ペッチャブーン県ナムナオの森まで来ていた。それだけ「最初の雨の後のキノコ」は地方暮らしの中で価値のある収入源なのだろう。
ナムナオ警察と当局は地元住民に対して、キノコ採取は単独で行わず集団で森に入るよう繰り返し呼びかけている。やけに目立つのは、現場周辺に大量に残された象の足跡である。森が誰のものでもなく、お互いに踏み込んでしまう場所であることを、突きつけてくるような事故だった。



