チャチェンサオ県ムアン郡タクヤイ小地区で2026年5月11日午後5時頃、9歳と8歳の兄弟が池の中央に浮いているヘルメットを取ろうとして溺死した。池の深さは2メートルを超え、2人は友人の6歳の子どもの目の前で姿を消した。目撃した6歳の子は水が泳げたため、助けを求めに駆け出し大人に伝えた。救助ボランティアが現場に到着した時には、2人はすでに意識を失っていた。
亡くなった9歳のチョーク(通称:ナット)と8歳のチョーク(通称:カット)は同じ親の兄弟で、母親の故郷スコータイから移ってきた家庭の子どもたちだった。実父母は別居・離婚し、祖母が2人を育てていた。祖母はボランティア隊から孫の死亡を知らされ、遺体に泣き崩れながら「ちゃんと見ていてやれなかった」と自分を責めた。
事故が起きた池は村の端にあり、子どもたちが水遊びに使うことは以前から知られていたが、安全柵や立入禁止の表示はなかった。池の中央に浮いていたヘルメットが子どもたちを引きつけた誘因となった。
タイでは子どもの溺水死亡率が東南アジアの中でも高い水準にある。タイ保健省の統計では、15歳以下の不慮の死因の中で溺水が最上位を占めており、年間1000件以上の溺水死が報告されている。特に農村部の池・水路・田んぼは柵もなく、幼い子どもが近づきやすい。
タイ政府は「水難事故ゼロ」を目標に毎年キャンペーンを実施しているが、農村部のすべての水場を管理・柵設置するのは現実的ではない。地域の大人・保護者による見守りと水泳教育の普及が最も効果的な対策とされるが、共働き・単身世帯の増加で子どもの監督が難しくなっている家庭も多い。