【続報】タイの魚缶詰ラベル偽装問題で、サムットソンクラム県の工場でも235缶が差し押さえられた。ラベルには「サバ」や「イワシ」と書かれているのに、中身はナイル魚や淡水のクロコウ魚(プラーモーカンダム)といった海水魚ではない種類が詰められていた。先のサムットサコン県に続いて2県目の発覚で、人民党議員は「組織的なコスト削減詐欺」と指摘している。
サムットソンクラムでも魚缶詰偽装、235缶差し押さえ+製造停止
5月8日、サムットソンクラム選出の人民党議員アヌパープ・リキットアムヌアイチャイ氏がFacebookで内部告発の続報を投稿した。同県内の魚缶詰工場で、ラベルと中身が一致しないケースが大量に確認されたという。市場で出回っていた商品を検査した結果、缶内の魚は淡水魚のナイル魚(プラーニン)や黒い口の淡水魚(プラーモーカンダム)で、ラベル記載の海水魚(サバ、イワシ)とは明らかに異なる種だった。
ラベル「サバ・イワシ」、中身は淡水魚—消費者は缶を開けるまで分からず
ナイル魚はタイの内陸水域で広く養殖される安価な淡水魚で、サバやイワシといった海水魚とは生息環境も価格帯も異なる。安価な淡水魚を「海水魚です」と偽って販売すれば、原価を大きく下げられる仕組みだ。被害者である消費者は缶を開けて中身を見るまで偽装を見抜くことができない。地方の食卓では、子供のおかずやパスタの具として日常的に魚缶詰が使われており、影響範囲は広い。
人民党議員が「組織的コスト削減詐欺」と指摘、首相府担当大臣に追及
アヌパープ議員はFacebook投稿で「これは最初の工場が言うような個人的なミスではない。広範囲に消費者を欺くコスト削減の仕組みであり、権限を持つ大臣は徹底的に追跡すべきだ」と訴えた。直接の質問先として、消費者保護局を所管する首相府担当のスパマス大臣と、漁業局を所管するワッチャラポン農業協同副大臣の名前を挙げた。サムットサコン県とサムットソンクラム県と続けて発覚したことから、全国の他県でも同様の偽装が広がっている可能性を強く示唆する事案となっている。
知事が県保健所・漁業局に調査命令、GMP基準の改善要求
サムットソンクラム県知事のチャヤチャイ・センイン氏は、県保健所、漁業局、ダムロンタム平和維持センターに合同調査を命じた。問題の工場には製造停止命令が出され、235缶が差し押さえられた。あわせて衛生管理基準(GMP)の改善要求も発出された。在タイ日本人にとっては、ローカルブランドの魚缶詰購入時にラベルだけで判断せず、製造元の信頼性、輸入品(日系スーパー扱いのもの)、大手チェーンの自社ブランドなどに切り替える判断が当面は安全だ。