タイ中央捜査局(CIB)の高速道路警察が5月6日早朝、サケオ国境から中国人6人をバンコクに密輸送するピックアップ車を捕獲した。停止命令を拒否して逃走するトヨタ製ピックアップを県境を越えて約70kmにわたって追跡し、最終的にプラチンブリ県スリマハープローイ郡で身柄確保に至った。タイ人運転手は1トリップ当たり5,000バーツの報酬で中国人を輸送していたと供述している。
オペレーションを指揮したのは、副警部待遇のカモンポップ・ハンウェッチ警察少佐(高速道路警察第5中隊3課、プラチンブリ-サケオ管轄)である。事前に「サケオ国境から中国人をバンコク方面に運ぶピックアップが今晩通る」との通報が入り、ルート上に張り込みを配置した。
早朝、ナンバープレートがバンコク登録の灰色のトヨタ製ピックアップトラックが、国道359号(パノムサーカム-サケオを結ぶ通称サケオ・ニュールート)を西に向かって走行しているのを発見した。プラチンブリ県スリマハープローイ郡内に差し掛かった地点で警察官が停止を求めたが、運転手はそれを無視してアクセルを踏み込み、隣のチャチェンサオ県カオヒンソン郡方面に向けて逃走を図った。
これに対して警察車両が追跡を開始、約70kmにわたる県をまたぐカーチェイスとなった。最終的にピックアップ車は停止に追い込まれ、運転手と乗客が身柄を確保された。荷台と車内には中国国籍の男女6人がいた。タイへの正規の入国手続きを経ずに国境を越えて入国し、バンコク市内まで運ばれる途中だったとみられる。
タイ人運転手の供述によると、「中国人を国境からバンコクまで運ぶ」という単発の依頼に応じる形で1トリップ当たり5,000バーツの報酬を受け取っていた。タイ-カンボジア国境周辺ではカジノ・スキャムセンター・違法事業に絡む人の流れが活発で、運び役のタイ人ドライバーが小額の報酬で関与する事例が断続的に発生している。今回の摘発は、こうした密輸送ルートを警察が国道沿いで遮断するパターンの典型例となった。