タイ東北部ナコンパノム県ワンヤン郡で、地元の村長であるキティーポン氏が13歳の少女を性的に虐待した疑いで警察の本格捜査の対象となっている。容疑者は被害者側との和解を試みたが、刑事案件かつ未成年に関わる犯罪のため示談での解決は法的に認められず、最終的に辞任を申し出た。警察は重罪2件で立件を進める方針である。
事件の発端は4月28日、被害者である13歳少女の保護者が地元のワンヤン警察署に告発したことである。告発内容は、村長のキティーポン氏が娘に暴行を加え、誘い出して性的に虐待したというものだった。クルポン・ケーオサオート警察大佐(ワンヤン警察署長)は5月6日、捜査の進捗状況について公式に説明した。
警察は容疑者と被害者の双方を呼び出して取り調べを行った。容疑者は当初から否認を続けているが、警察側は物証および証言の双方が容疑事実を裏付けるのに十分であると判断し、被害者については所定の手順に従って医療機関での身体検査を受けさせた。検査結果と証拠を組み合わせて立件に持ち込む構えである。
事件の途中で容疑者は被害者側に対して個別に和解(ไกล่เกลี่ย)を持ちかけた。タイの民事事件であれば被害者側の同意により示談で解決可能なケースもあるが、今回は刑事案件であり、しかも未成年(子ども・若者)に対する性犯罪という性格を持つため、和解で訴追を取り下げることは法的に許されない。容疑者の和解工作は被害者側の負担を重くするだけの結果となり、その後の対応として村長職の辞任を申し出る形となった。
警察は容疑者に対して2つの重罪を予定している。第一は「未成年の連れ去り(พรากผู้เยาว์)」で、保護者の意思に反して未成年を連れ出す行為そのものを処罰する規定である。第二は「15歳未満に対するわいせつ行為(กระทำอานาจาร)」で、被害者の年齢が15歳に満たない場合は同意の有無にかかわらず処罰される。タイの地方では村長(ผู้ใหญ่บ้าน)が地域住民との直接の信頼関係を基盤に職務を執るポジションであり、その立場を悪用した未成年への加害行為は厳しい刑事責任が問われる流れとなる。