タイ・バンコクのパタ動物園(สวนสัตว์พาต้า)で5月1日、男女2人組が爬虫類ケースを破って希少種を盗み出す事件が発生していたことが、5月6日になって動物園公式Facebookで公表された。盗まれたのは中国産のクロコダイル蜥蜴(กิ้งก่าจระเข้จีน)とタイガーストライプ模様のサラマンダー(ซาลาแมนเดอร์ลายเสือ)で、CCTVを意に介さず昼間に犯行が行われた大胆な手口だった。
事件が起きた5月1日はタイの労働者の日(วันแรงงาน)で、平日の祝日として家族連れの来園者が多い1日だった。容疑者は25〜35歳の男女2人組で、午前10時40分頃に通常の入園客を装って動物園に入った。背中にはブルーのバックパックを背負い、なかには子猿のぬいぐるみや偽装用のリスのおもちゃが入っていた。バックパックは入園後すぐに切符売り場に預ける手筈だった。
午前11時頃、男女のうち女の方が動きを開始した。短髪にメガネ、タンクトップという出で立ちで、右腕に大きなタトゥーが入っていた。その タトゥーを目立たなくする目的で、腰に巻いていた上着を肩から羽織り直し、姿の特定を難しくする工夫をした。
午前11時6分、女は爬虫類展示エリアの飼育ケースを素手で解錠し始めた。手口は、上着でケース全体を覆うことで監視カメラの視線を遮りながら、内側で素早く錠を外すというものだった。同行の男性も別のケースで同じ手口を使い、合計で中国産クロコダイル蜥蜴とタイガーストライプサラマンダーを目的の数だけ確保した。
希少種の爬虫類は飼育・収集マニアの間で需要があり、闇市場で高値で取引される。今回の犯行はCCTVが多数設置された動物園内で、昼間に堂々と行われた点で「準備万端の業者的犯行」とみる向きが強い。動物園は5月6日にバンコク警察に正式に被害届を提出し、容疑者の特定と希少動物の発見・回収に向けた捜査を要請した。Facebookの投稿には男女2人組の防犯カメラ画像も添えられており、SNS経由での情報提供も呼びかけられている。