タイ・チョンブリ県パナットニコム郡で5月6日午後、中国人投資家が所有する不法な家具工場が摘発され、無資格で就労していた外国人約150人が一斉に身柄を確保された。タイ国内における中国系不法工場としては相当の大規模で、観光ビザの悪用、不法入国、労働許可なし、営業許可なしの複数の違法を重ねた典型的な事案として注目を集めている。
オペレーションは午後1時頃に始まり、パナットニコム郡長のチャヤポン・ラッタナウィースットティクル氏が陣頭指揮を執った。国家安全保障執行司令部(ISOC、内安局)所属の軍部隊と入国管理警察、地方行政職員が合同チームを編成し、モンナン区ムー11(11村)に立地する工場を包囲した。
工場敷地は約80ライ(約32エーカー)に及ぶ大規模なもので、敷地内には4棟の大型倉庫が建設されていた。所有者は中国国籍の投資家1名で、家具製造業を運営していた。建物そのものは建設許可を取得済みだったが、肝心の事業運営許可(操業ライセンス)が未取得のまま稼働していたとされる。タイの外国人事業法では、外国人による特定業種の運営は許可制で、無許可営業は重い行政罰と刑事罰の対象となる。
最も人数規模の大きい違法行為が、約150人の外国人労働者の不法就労だった。国籍は主に中国とミャンマーで、正規の労働許可証を取得せずに工場で家具製造に従事していた。なかには観光ビザで入国し就労していたケースや、そもそも正規の入国手続きを経ずにタイ国内に入った者まで含まれていたとされる。タイ法上は重い刑事責任の対象で、退去強制と併せて立件される。
タイ国内では中国系投資家が農業・製造業・観光業の各セグメントで違法操業を展開する構図が断続的に表面化しており、チョンブリ県を含む東部経済回廊(EEC)内では特に外国人労働者の管理が課題となってきた。今回の摘発は他の中国系違法スキャムセンターやガス・薬物関連の摘発に続く一連の取り締まり強化の流れに位置し、タイ政府が外国人不法操業に対して同時並行で重点的に動いていることを示す事案となった。