タイ南部スリン県で5月5日、未成年少女の隠し撮り動画をTelegramの裏グループで販売していたとして、24歳の歯科助手の男が逮捕された。被害者の最年少は13歳とされ、月額会員制と終身会員制を組み合わせた集金モデルで運営されていた。内務省が人身売買とサイバー犯罪の摘発強化策の一環として、内政局と地元当局を動員して被疑者の自宅を急襲した。
摘発の端緒は、未成年への性的搾取被害者救出に取り組む2つのNGO組織からの通報だった。「The Scientia Program」と「Destiny Rescue」がTelegram上で問題のあるユーザーアカウントを発見、特定のユーザーが管理者として裏グループを運営し、未成年向けの性的コンテンツを月額および終身の会費を取って販売していると当局に申告した。
捜査の結果、グループ管理者の正体はスリン県在住の24歳男性で、職業は歯科助手であることが判明した。被疑者は出会い系アプリやソーシャルメディアを使って若い女性、特に未成年の少女に接近する手口を使っていた。最初は普通の交流を装って信頼関係を築き、その後に性的関係を持つ場面を本人の同意なく隠し撮りで記録するという流れだった。
撮影された動画は単なる隠し撮り映像として売られるのではなく、購買意欲を高めるために物語性のある「設定」が付与されていた。例えば「借金返済の代わりに身体で利息を支払う場面の映像」というストーリーを付けるなど、購入者の関心を引きやすい筋書きを意図的に組み立てていた。
Telegramの裏グループ販売は被害可視化の難しさが大きい。投稿者が容易に匿名化でき、グループは招待制・有料制でクローズドに運営されるため、被害者本人が自分の動画が出回っていることに気付かないケースも多い。タイ国内では出会い系・SNS・恋人関係を悪用したリベンジポルノ的な事件が連続しており、未成年が被害者となるケースは特に深刻な社会問題となっている。今回の事件では、未成年保護に特化したNGOが能動的にプラットフォームを監視し、当局を動かしたことが摘発につながった形となった。