タイで25歳の女性が、5,000バーツ借入から始まる地獄のような高利貸取り立てに巻き込まれ、最終的に「身体で利息を支払う」よう強要されたとして、テレビ番組「サーイマイ・トン・ロード」に救済を求めて駆け込んだ。タイラットなどが2026年5月4日に伝えた。借入から数日のうちに月利120%超、ヌード写真・動画担保、暴力金融への債権売却脅迫まで重なる典型的な闇金パターンが浮き彫りになっている。
女性は当初、急場しのぎの5,000バーツ借入から事態が始まった。返済条件は契約書には書かれない口頭の「特殊条件」を含み、日利400バーツ(月12,000バーツ、月利換算120%超)の異常な高利だった。生活費の困窮から、追加で5,000バーツを借り入れた結果、債務総額は10,000バーツに膨らんだ。2回目の借入時、貸主はヌード写真と動画の提供を担保として要求し、「拒めば貸さない」と通告した。
利払いが4日遅れただけで、貸主は「身体で利息を支払え」と要求し、撮影済みの動画を本人の家族・職場・SNSに拡散すると脅した。さらに「払えないなら他のもっと危険な金融業者に債権を売る」と脅迫し、「警察は私が片付ける(クリアできる)」と豪語して通報を封じた。
女性の告発を受けて、サーイマイ・トン・ロード番組とパヤット・サンドゥアン氏率いる救済班が事案を引き取り、警察への通報と弁護士同行による被害届出を支援する形となった。タイの貸金業に関する法令では、過度な利息設定は刑事罰対象となる。さらに今回のケースは性的画像を担保とする要求と「身体での返済」強要が重なり、人身売買防止法(พ.ร.บ.ป้องกันและปราบปรามการค้ามนุษย์)と性的搾取・強要の刑法上の犯罪としても立件可能な範疇となる。
タイでは銀行や正規金融機関の与信審査が厳しく、特に若年層・低所得層・自営業者・サービス業労働者は無許可貸金業者に頼らざるを得ない構造的問題が長年指摘されてきた。デジタルプラットフォーム上で「即日5,000バーツ」「審査なし」「身分証だけ」を謳うアプリ型違法貸金が拡散し、過去には少女2人組を「身体で利息」強要した事件で人身売買防止局(ปคม.)が貸主を逮捕した先行事例もある。
在タイ日本人にとっての関連は薄く、駐在員が直接巻き込まれるケースは稀だ。ただし、現地採用のタイ人スタッフ・ハウスキーパー・運転手など身近な人が同様の被害に遭うケースは存在する。家計相談を受けた場合、正規金融機関への借り換え案内、警察通報の同行、無料法律相談(弁護士会・人権委員会)、被害者保護局(ปปง./AMLO)への連絡など、安全な救済ルートを示すことが現実的な助けとなる。タイ警察の苦情通報ホットラインは1599、人身売買防止局は1300で対応している。