タイ東北部ナコンラチャシマ(コラート)中心部の制服店で、5月中旬の新学期開始を前にしても客足が大幅に落ち込んでいる。例年と比べて店内は閑散とし、価格は据え置きにもかかわらず保護者が新規購入を最小限に抑える動きが広がっている。
店主の説明では、今年の様子は例年と全く違う。経済状況が好転せず、燃料価格の高止まり、世界情勢の不安定さといった要因が物価全般を押し上げ、家計の負担感が一段と重くなっているのが背景にある。各家庭は新学期前後の出費を切り詰めるしかない局面に追い込まれている。
具体的な節約戦略の一つが、購入枚数の引き下げである。これまで一人あたり4着用意していた制服を、今年は2〜3着に減らす家庭が目立つ。新学期は学費、教科書、文房具と支出が集中する時期で、衣服は最後に削るカテゴリとして犠牲になりやすい。
進級を伴わない学年の子ども、たとえば学年が変わらず同じ小学校に通い続けるケースでは、新規購入を1〜2着に抑える家庭が増えている。さらに古い制服のサイズが許容範囲ならそのまま使い回し、丈や袖が合わなくなった分は補修で乗り切る対応も広がっている。新調そのものを見送る選択である。
地方の現場ではコラートの制服店だけでなく、南部ヤラー県では公益質屋への金・工具持参が70%急増するなど、新学期前の家計逼迫が複数地域で同時並行で表面化している。価格そのものを上げにくい商品(制服)では小売の客単価と販売数量の両方が落ち込み、価格を上げられる金市場では現金化が進むという二極の動きが見えてきた。