タイ東北部ロイエット県チャンハーン郡ドンシン町(ตำบลดงสิงห์ อ.จังหาร จ.ร้อยเอ็ด)の第1・4・13・15・16ムー一帯で2026年5月2日午後3時45分頃から、春雷を伴う暴風が直撃した。わずか5分間でトタン屋根が次々と剥がれて住宅51軒が損壊する被害となった。電柱倒壊で地域全体が停電し、ナイ・タウィシット・モントリーチョン町長と行政・土木課職員が翌5月3日朝7時半から現地に入り、被害戸数と修復必要箇所の調査を開始した。
被害住民は記者団に「とにかく強烈な風の音が聞こえて、ほんの5分で家の屋根がすべて飛ばされた。何枚もまとめて持っていかれた」「壁が崩れ、窓ガラスは破片となって散らばった」と切迫した状況を語った。集落内の道路には倒壊した電柱が散乱し、トタン板が道路や近隣家屋の上に落下している状態だった。
ロイエット県を含むタイ東北部・北部・中部は4月末から5月初旬にかけて雨季の入りと猛暑が混在する季節の変わり目で、局地的な雷雨と強風による集中被害が頻発している。気象局はすでに5月4日予報で2地域に大雨と45県警戒リストを発表しており、5月初旬の局地的な突風被害は予測の範囲内だった。
東北地方の春雷被害は今シーズン継続的に発生している。先日にはサラブリの水祭りコンサート会場で夏季嵐により巨大ゲートが倒壊し、17歳ファンが死亡・11人負傷する痛ましい事故も発生。ロイエットの今回の被害でも幸い人的被害の報告はないものの、トタン屋根の落下で歩行者・バイク利用者への二次災害リスクは続いている。
ロイエット県は東北部の主要農業地域で、米作とサトウキビ栽培が盛んなエリア。住宅は伝統的に木造+トタン屋根の組み合わせが多く、強風直撃には脆弱な構造となっている。地方自治体の被害判定後、生活困窮者向けの修復補助金や仮設シェルターの提供が順次発表される見通しだ。
在タイ日本人にとっての関連は、ロイエットを含む東北部への出張・旅行時の天候リスク管理だ。乾季から雨季への移行期は突発的な暴風と落雷が発生しやすく、屋外移動の中断・自家用車の屋外駐車回避・移動延期の判断材料として気象局の地域別警報を毎日確認することが推奨される。気象局の警報対象45県には東北部主要県も含まれているため、ホテル予約や出張スケジュールの柔軟性を持って計画したい。