タイ・カンボジア国境のシーサケート県にある歩兵第3連隊第2大隊「ソーオー・サワルット」基地で2026年4月13日、射撃班長のピーロン上等兵がカンボジア側が設置した竹やりトラップを踏み、左太ももを貫通する重傷を負った。大量出血のため、カンタララック病院の緊急治療室に搬送された。
事件の詳細
ピーロン上等兵は任務中に基地周辺の森林地帯を巡回していた際、地面に隠された竹やりトラップを踏んだ。先を鋭く削った竹が、左太ももの前面に深く突き刺さった。搬送時は意識があり、呼びかけへの反応も確認されていたが、多量出血のため予断を許さない状態だった。軍医が現場で止血処置を施した後、緊急搬送した。
竹やりトラップの性質
竹やりトラップは原始的だが致死性の高い防御手段だ。割った竹を鋭く削り、斜めに地面に刺して草や落ち葉で覆い隠す。踏んだ際に体重がかかると竹が脚を深く貫通する。傷口が不規則で汚染されているため、感染症(特に破傷風や敗血症)のリスクが高い。
今回のトラップは「カンボジア軍が以前占領していたサッタソム山地区で設置したもので、その後タイ軍が奪還した際に取り残されたもの」と報告された。
タイ・カンボジア国境の緊張
シーサケート県はタイとカンボジアの国境に位置し、両軍が歴史的に対立してきたエリアだ。特にプレア・ビヒア寺院(カオ・プラ・ウィハーン)を巡る領有権争いは2008〜2011年に武力衝突を招き、両国間の外交問題となった。寺院周辺は現在もタイ軍が厳重な警備を行っている。
ソンクラーン期間中には一般観光客向けにタークワイ寺院地区が公開されているが、その背後で兵士は地雷・トラップのリスクと隣り合わせで任務にあたっている。
地雷とトラップの除去
タイ軍は国境地帯の地雷・不発弾の除去を継続的に進めている。タイ地雷除去センター(TMAC)によれば、国境地帯の危険地帯のうち安全化が完了した面積は徐々に増えているが、大量の未除去地帯が残っている。今回のような木製トラップは金属探知機での発見が難しく、除去作業をより危険なものにしている。