スパジー副首相兼商務大臣は4月9日、国会での施政方針演説の場でパーム油の輸出禁止を明確に否定した。「禁止ではなく許可制である」として、業界や農家に広がっていた懸念の払拭を図った。
先に報じたパーム油の卸売価格急落では、クラビー県の農家が輸出停止措置に不満の声を上げていた。副首相の発言はこうした混乱への直接の回答といえる。
新たな管理体制では、パーム油の事業者に毎週の在庫量報告が義務づけられる。輸出するには商務省への事前申請が必要となるが、国内の需給バランスが確保されている場合は許可が下りる仕組みである。
この措置の背景にあるのが、政府のバイオディーゼル推進政策である。ディーゼル燃料にCPO(粗パーム油)を混合する方針を拡大しており、国内のパーム油需要は増加の一途をたどっている。副首相は「バイオディーゼルにCPOを使う政策を進めながら供給量を管理しなければ、国内で品不足を招きかねない」と語った。
燃料危機が深刻化するなか、タイ政府はバイオディーゼルの安定供給と農家の輸出収入を両立させるという二律背反に直面している。許可制の運用次第では、農家の不満が再燃する可能性も否定できない。



