タイユニオン・グループ傘下の水産フード部門TFM(Thai Union Group)が「Thai Union Synergy 2026」を開催した。政府機関、民間企業、エビ養殖農家が一堂に会し、2026年のタイ・エビ産業の方向性について意見を交わした。
タイは世界有数のエビ輸出国で、ブラックタイガーえびとバナメイエビが主要品目だ。タイユニオンは「JOHN WEST」「CHICKEN OF THE SEA」などのブランドを通じてグローバルに水産品を展開する世界最大規模の水産会社であり、タイのエビ産業のサプライチェーンに深く関わる。
イベントの主な狙いは、国際市場の価格変動や供給不安に対する業界全体の対応力を高めることにある。近年タイのエビ国際相場は、エクアドル・インドなどの競合国の生産量増加と、貝毒や疾病による不安定要因が重なり、価格が乱高下している。タイの生産者にとっては輸出向け品質の安定確保と、コスト競争力の維持の両立が課題だ。
エビ養殖では水質管理、餌の品質、疾病対策(特にEMS急性肝膵臓壊死病)が生産量を左右する。気候変動による水温上昇と降水パターンの変化も養殖環境に影響を与えており、タイの養殖業者は適応策を模索している。官民農の連携によってこうした課題に対処する知識と技術の共有が、今回のシナジーイベントの核心だ。
タイ政府は農業・農産物輸出の促進を重要政策に掲げており、エビ産業への支援として種苗の品質向上、疾病対策技術の普及、輸出向け残留農薬基準のクリアを後押しする制度整備を進めている。環境・労働の国際基準を遵守しながら競争力を維持するという課題は、タイのエビ産業が長期的に克服すべき構造的な問題だ。