タイのサイバー犯罪捜査部門がハッキングによる企業データ破壊事件の容疑者を逮捕した。逮捕されたのは大手百貨店の元マネージャーで、高度な技術を用いて同社のコンピューターシステムに不正侵入し、内部データを破壊した疑いが持たれている。被害額は1千万バーツ(約4千万円)を超えるとみられる。
捜査を担当したのはサイバー犯罪捜査局(CCIB)傘下の捜査第4課で、高度な技術的追跡によって容疑者の特定に至った。元マネージャーは同百貨店の内部システムに精通しており、その知識を悪用してシステムへの侵入と破壊行為を行ったとされる。
容疑者は取り調べに対し、犯行を認めている。動機については、経営陣に対する不満を挙げたという。退職後も社内システムの構造を熟知していたことが、今回の犯行を可能にしたとみられる。
タイでは近年、企業の元従業員による内部犯行型のサイバー攻撃が問題となっている。退職者のアクセス権限管理の不備が、こうした事件の温床になっているとの指摘もある。今回の事件は、企業が退職者のシステムアクセスを速やかに遮断する重要性を改めて浮き彫りにした。
サイバー犯罪捜査局は、コンピューター犯罪法に基づき容疑者を起訴する方針である。不正アクセスによるデータ破壊は同法で重罪に分類され、有罪となれば実刑判決の可能性もある。