90台あったソンテウがたった3台に減ったブリーラムに続き、アユタヤでも公共交通の危機が広がっている。ソンテウ(乗り合いトラック)の運転手たちが、運賃値上げか運行停止かの苦しい選択を迫られている。
アユタヤ県のソンテウ運転手は取材に対し、ディーゼル価格の急騰でコストが跳ね上がり、運行を続けるほど赤字が膨らむ状況だと語った。運賃を上げれば庶民の足を奪うことになるが、上げなければ運行自体が維持できない。「値上げしようか、それともいっそ走るのをやめようか、正直迷っている」と本音を漏らした。
ソンテウはタイの地方都市における最も身近な公共交通手段だ。鉄道もバスも走っていない地域では、ソンテウが住民の通勤・通学・買い物の唯一の足となっている。しかしディーゼルがリッター47バーツを超えた今、低運賃のソンテウは構造的に立ち行かなくなっている。
運転手の一人は「政府が値段をどこまで上げようが、それはもう政府の勝手だ」と、政策への諦めとも怒りともつかない言葉を口にした。燃料価格の高騰に加え、沿線の乗客も生活費の逼迫で外出を控える傾向にあり、ダブルの打撃を受けている。
アユタヤは世界遺産の遺跡群で知られる観光都市だが、市街地の公共交通は整備が遅れている。ソンテウの減便や運行停止は、地元住民の生活だけでなく遺跡を巡る観光客の移動手段にも影響する。燃料危機が地方の交通インフラを根こそぎ揺るがしている。