4月1日午前1時ごろ、ナラティワート県ジャネー郡のスカエ村付近、国道NR4115号線で、副郡長のモンチャイ・チットカモンカーン氏(専門行政官上級職・安全保障グループ長)が乗るピックアップトラックが道路脇に潜んでいた武装グループに銃撃された。モンチャイ氏と同乗していた27歳の女性ハイダーさんの2人が現場で死亡した。
深夜の待ち伏せ攻撃
モンチャイ氏は同夜、ハイダーさんと同乗して走行中だった。ドゥーソンヨー地区の村付近で、複数の武装した男が道路脇から集中砲火を浴びせた。目撃者によると、射撃は数十秒続いたとみられ、車両は停車後に乗員2人の死亡が確認された。
事件発生後、治安部隊・警察・関連機関が現場を封鎖し、証拠収集と犯人の追跡を開始した。午前中には第4軍区司令官が現場に出向き、捜査指揮に当たった。
タイ深南部の情勢
ナラティワート・パタニ・ヤラーの深南部3県では、分離独立を掲げる武装組織によるイスラム教系住民と仏教系住民・治安機関の双方を標的にした攻撃が断続的に続いている。主な組織はBRN(バルサン・レヴォルーシ・ナショナル)とされ、地方行政官・軍・警察への暴力が繰り返されてきた。
2004年の独立紛争激化以降、死者は累計7,000人を超えるとされ、地域の開発や観光業にも長年にわたって影を落とし続けている。2020年代に入って和平対話の動きがあったが、現地での攻撃は止まっていない。
今回の副郡長への暗殺は、地方行政官を標的にした典型的なパターンだ。夜間の車両移動中の待ち伏せは、深南部で繰り返されてきた手口と一致する。当局は犯行グループの特定と逮捕に向けて捜査を続けている。