タイ中部ピチット県で3月29日に実施された地方自治体(テーサバーン)選挙で、票の買収価格が1票300バーツ(約1,500円)だとの噂が飛び交った。4年前の選挙では8,000バーツ(約4万円)だったとされ、「相場」が大幅に下落した形だ。
選挙が行われたのはムアンピチット郡のクローンカチェントーン自治体とドーンチャルーン郡のワンギウタイ自治体の2か所。いずれも投票所には200〜300人の有権者が列をなし、活発な投票が行われた。
ピチット県選管のアモーン・ラチャタンクン局長は「現時点で買収に関する正式な苦情は届いていない」と述べた。タイでは票の買収は違法だが、地方選挙では公然の秘密として語られることが多い。
買収額が4年前の8,000バーツから300バーツに急落した背景について、地元では複数の見方がある。燃料危機で経済が逼迫し、候補者側の資金が潤沢でないとの観測や、買収への監視が強化されたことで大規模な資金投入が難しくなったとの分析もある。
タイの地方選挙における買収文化は根深く、選管や警察の取り締まりにもかかわらず完全にはなくなっていない。一方で、買収「相場」が下がっていること自体が、有権者の意識変化や監視強化を反映しているとも読める。
